防災コラム<自主防災組織で活躍する人のお話を紹介するコーナー>

コラム『こいずみ消防団員が行く』

小泉 潔(イサオ)様は、自主防災組織でも中心のひとつとなる消火チームリーダーです。小泉様が消防に従事されてきた貴重な知識や経験を小泉さんご自身からお聞きしていきます。防災コラムとして掲載します。みなさまのご参考になればと思います。


1話 『三階もあったのか』

 

 私の防災活動経験は特別な事はないのですが東京港区で居住、勤務していたので知り合いの消防署員に消防団になるよう勧められ入団したのが活動の始まりでした。管轄を東京港区新橋、西新橋、大門、浜松町、芝、海岸、芝浦とする芝消防団に入団し、消火班員に任命されその後おおよそ30年貴重な体験をさせていただきました。

 

  入団から3年間くらいは訓練など馬鹿にしていたのですが、初めて焼死者4名(老人夫婦とそのお孫さん二人)がでてしまった現場へ応援出場した時ものすごいショックを受けました。焼死者のでた現場では出場署員・団員ほとんど口を利かずなぜ焼死者を出してしまったのだろうと自問自答していました。

 

  火災現場の正しい住所の通報を受け木造三階の三階部分に老人・お孫さんが居るという情報が出場隊員に伝わっていれば何秒、何分も早く三階部分に突入・救助が出来ただろうと隊員皆が涙流しながら話していました。(現場の三階は違法建築のため外部からは三階部分が全く見えなかったため消防隊は1階部分から屋内侵入しました)

 

その体験で私はやっと通報から始まり現場での情報収集、消火手順などの訓練の大切さを知りました。

 

  悔いの残らない無駄の無い防災活動を出来るよう私の知っている限りの事を自治会の皆様に伝達するつもりです。

 

2017年9月19日 小泉 潔